創業九十余年 着物と帯の専門店
東京都足立区千住柳町41−13
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  みさやま紬
  (長野県)
 
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  信州は古くから養蚕が盛んな地で、たいていの農家で機が織られ、自家用の織物を作っていました。
 
  それぞれの家の織り手達は、家の周囲に生える草木や実を使って素朴な明るい色を染め出し、深い味わいのある紬を織っていました。
 
  そのような土地の長い伝統の中で、新しい感覚を加えた草木染めの手織紬が、横山英一氏の作り出すみさやま紬です。
 
  みさやま紬は経糸に絹の生糸を、緯糸に紬糸を使っていますので、どっしりとした紬の味となめらかさがあります。
 
  野山の花、草、木、実を使ってさまざまな色を染めています。
 
  横山氏は若い頃は音楽を志したこともありましたが、みさやま紬にもその心の奥にひそむリズム、ハーモニーが色や、味となって織り込まれているようです。
 

   <現在使用している染>
  山漆・山桜・冬青・栗・刈安・山椿の木・胡桃・玉葱・梅・藍など・・・・・



   [ 横山英一氏 ]

  大正九年、長野県松本市大字三才山に生まれる。
 
  松本中学校卒業後、上京して東京芸術大学の木下保氏に師事して音楽の勉強をするが、
  昭和十七年より二十一年まで召集を受け戦地へ赴く。
 
  戦後、草木染めに魅入られ、農業のかたわら周囲の雑木林の自生の草木を使った染めの研究を続ける。
 
  柳宗悦氏の民芸協会に入り、様々な教えを受け、手近にある草木を使 った親しみやすい紬(みさやま紬)を織る。





 みさやま紬 産地見学


御縁があり、みさやま紬の産地・・・と申しましても生産しているのは横山さん一軒のみですので、
実質は横山さんの自宅兼工房へ見学に行って参りました。
      
 みさやまの風景  横山氏の玄関  築120年以上は経っているとのこと

元々は農家をされていた横山家ですが、先代の故英一さんよりみさやま紬を製作し出しました。
約十町歩の山野を所有しているそうで、その山に入り草木染に必要な材料を採取しているそうです。
   
 清潔な染場 入室には靴を履き替えます。泥や糸くずなどの侵入を防ぐ為です  工房の裏庭の様子

横山さんの山は杉や松だけの経済林ではなく、雑多な種類がある雑木林です。
雑木林は30年に一回、焼きを行います。この焼きをしないと回復力がなくなってしまい枯れてしまうそうです。
また、草木染に必要な木だけを残しても周りがないと枯れてしまうとも仰っておりました。
お互いに日陰を作りあい、共生しているのが雑木林だそうです。
     
 自宅の裏山  裏山からの風景

現在みさやま紬を製作されているのは、横山俊一郎夫妻とお嬢様の合わせて3名のみ。
娘さんが最近手伝いだしてくれた事をすごく嬉しそうにお話しする横山さんの顔が印象的でした。
出機などはなく、糸の精錬、染、整経、織、の全てを自宅内工房で行っています。
生産反数は年間100反前後
「 草木染めの良い所は、自然を感じれるとこだよ。
春なんかに栗の枝を切るとぶぁと水しぶきがでるだよ。
一斉に芽吹くような感じでさぁ。自然の生命を感じられるんだ。 」
と教えて下さいました。
みさやまらしいもの、山林から出る色を染める事に力を注いでいる
自然がくれる色だから安心して、そこに惚れこんでいると語る横山さん。
玉葱の皮染も行いますが、最近の玉葱は品種改良が進み調理し易いように皮が少なくなってきており、
集めるのが以前より大変になってきたそうです。
   
 藁小屋  藁精錬の為に焼いた藁

購入した生糸はご自分で精錬されています。
藁精錬という珍しい方法で、燃やした藁に水をかけてシミ出た水を熟成させてアルカリ性の溶液を作っています。
 化学染料は糸の部屋がいっぱいになると、それ以上は染まらない。
草木染めは重ねれば重ねるだけ色が変化すると仰っておりました。
   
 糸巻き機 整然と並んだ機 
   
 機に掛った経糸 今まで染めた糸 

自然を愛し、草木染を信じている横山さんとの会話は楽しく時間があっという間に過ぎてしまいました。
方言混じりでお話する横山さんからは、素朴で真面目、博識でちょっと頑固で(笑)ちょっと茶目っけもある・・・
という人柄が全身から溢れていました。
出来上がるみさやま紬も色は素朴で、織は真面目、焙煎は博識で、
まるで横山さんの分身のようでもあります。
このような製作者がまだ居られるというのは、製品を販売している我々にすごく安心感と情熱を与えてくれました。
自宅・工房内ともに塵ひとつ落ちていない・・・これは物作りに対する信条を感じました。 
   
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