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士乎路紬 しおじつむぎ

 

(能登半島)

 
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能登半島は別名「士乎路」と呼ばれます。

 この能登半島の入り口、羽咋の近くで、水島繁三郎氏によって生み出された士乎路紬は、

 昔ながらの技法に、科学的な工夫を加えて創作された新しい紬です。

 水島氏は長年、草木染めの研究を続けていましたが、

 紬には手引き真綿の結城紬糸、染色には大島紬の草木・泥,染めが色合い、

 光沢ともすばらしいと知り、、この二つの紬の優れた部分をあわせ持つ作品を作りあげました。

 しかも、感触がよく、シワにならずにぴったりと体になじむものをという水島氏の長年の願望から、

 タンパク加工を施す研究に成功、シワのよらない画期的な特長を生み出しました。

 その他にも高周波によって染料を定着させる為のセット加工をして、

 色つやを落とさない工夫も入れられています。
 

 こうした科学を導入した成果で、士乎路紬は。生地に弾力性があり、

 着始めからしなやかで肌になじみ、

 洗えば洗うほど感触はさらによくなり光沢もますます冴えを見せてくるという、

 大きな魅力をもつ手つくりの紬です。





<泥エキスの糸染め>
 
 
士乎路紬は大島紬と同じ染色法を採用していますが、

 テーチ木(車輪梅)と泥の科学分析により一連の染色工程を大幅に簡略化しています。
 
 テーチ木は、日本では貴重な樹木で高価ですが、

 マレー半島などの熱帯地方では繁茂しており士乎路紬はこれを利用。

 ただ同じテーチ木でも熱帯地方のものは色素が多く、

 泥との調和に必要なタンニン酸の含有量が少なくなっています。

 この不足を補う為、モモタマナ(桐の木に似ており、

 タンニン酸の含有量が非常に多い)を煮出してテーチ木と結合させ、

 泥染めとの調和に理想的な染料として使っています。
 
 泥はX線で科学的に分析した結果から、

 いわゆる「泥エキス」を作り、それを媒染剤にしています。

 泥エキスは成分によって、染めあがりの色が微妙に違ってきますが、

 例えば泥エキスがアルカリ性の場合は、

 草木染めによる色はそのまま出てきますが、鉄分が多いと色合いは少し濁り、

 銅系の泥エキスだと茶色がかった色になります。
 
 本来、日本人は同じ黒でも少し茶色がかった黒が最もよく似合う色とされており、

 大島紬ではその色出しに苦労していますが、

 士乎路紬では草木染料や泥の科学分析、調合により確実に、色を出すことができます。
 
 また、士乎路紬の染色は、テーチ木による泥染めばかりでなく、

 多種類の草木染めもされています。




<染料>
        
        茶系  サルトリイバラ
        
        黄    ウコン
        
        赤紫  蘇芳
        
        黄    くちなし
        
        紫系  紫草
        
        鼠色  樫



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