創業100年            着物と帯の専門店 
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着物と帯の専門店
染 織 きもの
田村屋

  
 
 染替え
 


染替えとはどの様な作業をするのか?を解り易く解説したいと思い写真を交えて手順を説明していきます。
最近では、着物に触れる機会も少なく着物のままでも染替え出来ると思われている方も良く耳に致します。
 



其の1 解き  :袷(単衣も)仕立て上がっているものを解き、布の状態へ戻します


 左の写真が解いた状態です。(袷) 八掛・胴裏・表地に分けられます。


其の2 羽縫い  :着物は直線裁ちですので、縫い合わせて元の反物の状態に戻します


今回は染替える八掛・表地を羽縫いしました。袖・身頃・衿・・・・・
と縫い合わせると反物の状態に戻ります。
手前 表地 ・ 奥 八掛


其の3  色決め  :染替えたい色目を見本から選びます


当店では500色以上の見本よりお選び戴けます。
お持込の生地の色へも勿論染替え出来ます。
下が渋札といって商品に付ける管理札です。
下の方に選んだ見本生地を付けて染屋さんへ出します。
色選びは、元の生地色やシミ・汚れ具合も考えて。。。。
色見本はあくまで見本です。
勿論職人さんは出来うる限り見本の色目に染上げてくれます。
が、生地による照り具合、
発色の違いなど一枚一枚条件が異なります。 
i色見本を付けた渋札

 

其の4  染め出し   :
当店では私の祖父の代よりお付き合いしている 「黄綬褒章受賞・伝統工芸士」である川添さんの染工場へお願いしております




@検品

 白生地は精練時に生じる摺れ・折れ、織る時のキズ等の生地難を点検し、以後の染色加工に対処します。
 
A地入れ

 高温の湯槽で不純物を除去し、染色を容易にする為の処理で、生地の表面を滑らかにし、染斑が出ないようにする為の重要な前工程です。
 その後水洗いを十分にします。
 
B染色

 染料「水又は熱湯で攪拌」、助剤「緩染・均一」、温度、時間を配慮しながら指定の色に染め付けます。
 染色段階にて、高温にする程、染め上がりの堅牢度が高いのですが、作業効率の面から低い温度で作業する工場が多いそうですが、
 こちらの染工場では、高温にて作業しています。

C色合わせ

 色はまさに千差万別。永年に及ぶ職人の勘と技がここに発揮される緊張の一瞬です。色を構成している
 明度・彩度・色相の染液を創作し見本と同じ色に染め上げます。 
 
D水洗い

 染め上がった生地は、絹特有の光沢・手触りを付与する為、十分な清水にて染色時の不純物を除去し、
 続いて堅牢度向上のための後処理を行います。

E乾燥

 脱水した生地は、自然乾燥します。本来ならば伸子を張るのが当たり前ですが、手間が掛かる為省く工場もあります。
 吊るして干している工場は、染料が偏っちゃうんだよねとお話してくれました。

F整理検品

 製品に応じて柔軟、糊付け等を行い、湯のしにかけ、巾を整えて最終検品をします。


                                 上の写真は白生地を横巾半分に裁断した物。
上が経年により黄変した元の状態。下が晒して白くなった状態。
その他、生地の状態により
下洗い・色抜きなどの加工をしてから染色します。
今回の品物は色抜きしました。 


川添さんに伺った話によると、一色の色合わせには原料の染料を3〜5色使うそうです。

又、同じ濃度の染料に漬けても生地の種類によって全く異なる色合いに染め上がってしまうそうです。

が、永年の経験と勘により染料を溶いた染液を見るだけで染め上がりが頭に浮かぶと話しておりました。



其の五 染め上がり→仕立てへ


染め上がりを確認して、前にあったシミ・汚れの隠れ具合を見ます。
絵羽物ですと、転地は難しいですが、無地・小紋はシミ・汚れが目立たないように転地を考えて仕立て職人へと加工出しします。
 
 

其の六 お仕立て上がり



薄緑色で一昔前の着物だと一目で解った品物が、職人さんの手間隙で今風な色へと蘇りました。

お時間とお金も掛かる事ですので、まずは現物を拝見させて頂いてからのご相談とさせて戴いております。


※上記記載のものは無地から無地への染替えです。

柄のある着物は柄生かす場合、柄の上から染める場合、柄を抜く場合

と、それぞれ工程や考え方が変わります。

当店にて実物を拝見させて戴ければ、出来る限りのアドバイスをさせて戴きます。

その時点で加工を取りやめる旨をお奨めする場合もございます。ご了承下さい。


勿論、染替えだけではなく、色無地・紋付の別誂え染めも上記の加工にて承っております。
白生地からお好きな色を選んで、オリジナル性の高い着物は如何でしょうか?



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