刺しこぎんは青森県弘前市付近を中心に、
中、南、北の各津軽郡の農村で古くから行なわれた土地独特の風習に習った民芸品で、
その優れた刺繍技術は世界的にも認められています。
半年を雪に埋もれて暮らす津軽の主婦や娘達は、
耐久力と防寒のため野良着の胸と肩の部分を麻地に木綿糸をもって、
精巧な幾何学模様を刺しつづけました。
それは質実ではありますが、不思議にも独特の風趣とパターンの華やかさを表しており、
しかも生地を万遍なく補強するので強靭な労働着となりました。
その刺繍技法(小衣刺織り糸をすくって出来た模様)を、
新しい材料により今日の用に生かそうとして成ったのが、
津軽こぎんといわれるいわゆる小物類ですが羽織、帯地、ハンドバッグなどがあります。
|