意匠
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図案
ずあん
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西陣の帯の最大の特徴は、先染の紋織物であるという事。
染色した糸を使って多彩な柄を織なしていきます。
それだけに図案のデザインは、仕上がりを左右する重大な工程。
伝統的な意匠を大切にしながらも、現代の着こなしに相応しい図案を描いていきます。 |
紋意匠図
もんいしょうず
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織物の設計図が紋意匠図。図案を拡大して方眼紙に写し取り、
色を塗り分けてどのような組織で織るかを示します。
緻密な作業が要求される工程です。 |
紋彫
もんほり
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紋意匠図に元づいて、縦33CM×横4.5CM程の紋紙に穴を開けます。
この紋紙によってたて糸が上げ下げされ、よこ糸が通されることで紋や柄が織られます。 |
撚糸
ねんし
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撚糸とは、細い糸を何本か合わせたり、糸に撚りをかけて独特の風合いを出す事。
使う糸の本数や太さ、それぞれの糸に撚りをかける方向によって、
糸は様々な表情を持つようになります。 |
糸
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糸染
いとそめ
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糸染は先染の紋織物である西陣織にとって非常に重要な工程です。
微妙な色の違いを認識し、指定通りの色に糸を染め上げるには、
繊維や染料に関する豊富な知識と経験が必要とされます。 |
糸繰
いとくり
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高度な紋模様が特徴の西陣織では、幾種類もの色に先染された糸が準備されます。
染め上げられた糸は綛(かせ)に巻かれていますが、
これを次の整理工程で扱いやすいように糸枠に巻き取ります。 |
機ごしらえ
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整経
せいけい
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少ないもので三千本、多いもので八千本ものたて糸を使う西陣織にとって、
機ごしらえはとても大切な工程。
整経と呼ばれる工程では、その織物を織るのに必要な長さ、
本数のたて糸が、緻密な計算によって準備されます。 |
綜絖
そうこう
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織物を織る為には機に張られた幾千本ものたて糸によこ糸を
上・下と交互に通していかなければなりません。
綜絖とは、よこ糸が通せるようにジャガードの指令に基づいてたて糸を上下に分ける装置の事です。 |
機
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開口
かいこう
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よこ糸を通す為に、
機にかけられたたて糸を上下に分ける綜絖を動かす仕組みを開口装置と呼びます。
開口装置には幾つかの方式がありますが西陣手織帯で用いられるのは
昔ながらの踏木を用いたもの。 |
緯入れ
たていれ
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機の下部に踏木と呼ばれる棒が並び、織人はこれを踏むことで綜絖を動かして、
たて糸を上下に分けて、よこ糸を通していきます。
動力を用いない為に骨の折れる方式ですが、
永年の経験で培った織人それぞれのリズムで機を操る事が出来、
手織ならではのぬくもりに溢れた帯が織り上がります。 |
杼
ひ
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開口装置によって上下に分けられたたて糸に、
よこ糸を通す「緯入れ」という作業には「杼」(シャトル)と呼ばれる道具を用います。
「杼」は樫、柿、椿、つげ、びわなどに堅い木材製の舟形の道具で、
よこ糸を巻いた小管を収めたもの。
側面から糸を引き出して用います。
杼には実に様々な種類がありますが、
西陣手織帯に使われるのは「手投杼」、「引杼」、「小杼」。
帯の種類や織柄の大きさ、組織によって使い分けられます。
たて糸の間を通る杼の動き、スピード、リズム、そしてよこ糸の微妙な張り。
手仕事ならではの人間味溢れる技が手織帯の豊かな風合いを創るのです。 |
筬
おさ
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数千本にも及ぶたて糸の位置を整えると共に、
杼によって通されるよこ糸を最適な密度に整えるのが筬の役割。
西陣手織帯ではこの「緯打ち」と呼ばれる工程に筬、もしくは櫛を使います。
櫛も筬と同様に杼を使って通したよこ糸を手前に掻き寄せ密度を整えていきます。 |