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有松・鳴海絞り

〈愛知県)

 
 
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名古屋市の有松町、鳴海町地方で作られる木綿絞りに付けられる総称で、

 主にゆかた地として用いられていますが、高級着物や羽織にも使われています。
 
 染めは木綿絞りが本領ですから藍染めが多く、近年はインディゴによる染めも行なわれています。
 
 有松絞りの歴史は古く、今から350年ほど前に創始されたといわれ、

 竹田庄九朗が絞り染めを始めた動機は、

 語り伝えによると慶長15年の名古屋城築城の時九州豊後国の諸大名が築城工事の手伝いに来ていたが、

 その大工たちの中に絞り染め(手拭??)を持っているものがおり、

 これに目をとめた庄九朗が製法のヒントを得てつくり始めたとのことです。

 そのころ九州豊後の国でどのような絞りが行なわれていたか明らかではありませんが、

 有松で最初に作られていたのは蜘蛛絞りといわれるものでした。
 
 その絞り加工の種類はちょっと数えただけでも数十種類があり、その中での主なものは

 縫絞り(杢目・合せ縫・平縫・白影・養老・紙当・ミシン)、

 段絞り(竜巻・手筋・鎧段)、

 蜘蛛絞り(ヒダ取り蜘蛛・手廻し蜘蛛・機械・螺旋)

 三浦絞り(平三浦・石垣三浦・大小三浦・筋三浦・疋田三浦)、

 鹿の子絞り(手結び鹿の子・突出し鹿の子・人目鹿の子・京極鹿の子・横引鹿の子)、
 
 雪花絞り(折花・板締め)、嵐絞り(棒巻き絞りともいう)、桶絞り・・・・・などどです。
 
 以上のような絞り加工の技術の大半は後代のものですが絞りそのものの歴史はもっと古く

 “くくり染め”ともいい古くは纐纈<こうけち>または“ゆはた”などといわれ、

 すでに奈良時代に行なわれていたもので、当時のものが正倉院などに現存しています。

 平安時代の服制の中にも纐纈のことがでていますが目結いといって疋田絞りのような模様が主であったらしく、

 室町時代には辻が花染という優れた染物が現れ、これには縫締絞りや疋田絞りなどの技法が見られ、

 江戸時代にはさらに技術も向上して細い鹿の子絞りによる総模様なども創られるようになりました。





三浦絞り


 
巻上絞りの類で絞り上げた形がいぼのようになり、
 絞りあがった形はひよこが羽を広げた形になるのがいいとされています。

 生地の一点をつかんで粒状を作り、
 これを綿糸でくくり結び右から左にと全幅にくくって浸染めをする方法で、

 江戸初期に豊後の人・三浦玄忠の夫人が有松地方に伝えたということからこの名があるといいます。


嵐絞り


 
棒絞りとも呼ばれるもので直径約20センチメートル、長さ約4メートルの丸太に斜めに布を巻き、

 その上から一定の間隔に綿糸を巻いておいてから布を一方に寄せてシワをつけ、

 そのまま棒ごと染液中につけて染め上げるもので、
 染め上げた絞り模様が斜めの嵐状(乱雨の模様)
 になることからこの名がある。

 棒に巻く時の布の角度、糸の巻き方、
 布を寄せる時のシワの寄せ加減で斜めのスジや算盤玉など種々な模様ができた。


蜘蛛絞り


 
布の一点を手でつかみ適当の大きさにヒダをとって綿糸でくくります。

 ヒダを全部くくるものと、三分、五分、七分と残してくくるものがあり、
 括り終わってから染色をして、

 ほどくと模様が蜘蛛の巣状になることからこの名があります。


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