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白石の紙子

 

(宮城県)

 
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 かぢのき(梶)は東洋の特産植物で麻からむし等とともにわが国上古以来の衣料繊維であり、

 由布や妙(たふえ)を作り、たく布に織って着用されました。

 このように紙子の歴史は非常に古く、腰の強い上質の紙を産したわが国独特のものです。

 しかし、紙抄き技術が中国で発明され、

 7世紀初頭、推古朝に日本に伝えられるとともにかぢ皮は製紙原料に使われ、

 衣料の用途は次第に忘れられましたが、紙は織物に比べて軽く風を通さぬという利点を持っていたため、

 再び防寒具や寝具として用いられるようになりました。

 幾枚かの紙を張り合わせ、これを揉んで柔らかくし、柿渋を塗って仕上げたもので、

 戦国時代の胴服や陣羽織にもりようされましたが、この紙子を特に多く使用したのは僧侶達で、

 その慣いが現在も奈良東大寺の二月堂の修二会(お水取り)に参籠する僧侶達に受け継がれています。

 紙子の産地としては昔は色々な所がありましたが、

 静岡県の安部川、和歌山県の革丼と並んで宮城県の白石が三大産地でした。

 白石で文献に紙子が紙布と並んで現れるのは万治2年(1659年)で、

 片倉家中の侍は地布木綿古晒古紬紙布紙子の外着用すべからず・・・・

 と記してあり、紙の織物が表記されていますが、反古紙を細く裂いて長く積んだ紙糸の布で、

 木綿の不足な東北でその補いに経糸に木綿、緯糸に紙糸を使い野良着や厚司織の実用衣料にしました。

 そしてこの種のものはほとんど全国的に自家製されていましたが、白石では、特別抄きの紙布紙で経糸絹で、

 紋紙布、ちりめん紙布、綾、絽、竜紋、紅梅、絖、浴衣や縮、かすりまでも織り出しています。

 明治以降一時どの産地からも姿を消しましたが、現在白石では復興され、

 文様は昔用いた型板にタンポを用いて拓本武に墨で摺り表し渋い墨味を出すようにしているのが、

 今日の白石紙子の特徴です。

 昔は木版摺りでした。
 
 紙衣は古く平安朝時代から仏僧が着用したと先に陳べましたが、

 松島端巌寺中興法身禅師も紙衣を着て岩屋で修行し、

 伊達正宗公は太閤秀吉から紙衣を拝領した記録があり、

 奥の細道を行脚した芭蕉も「紙子一枚は夜の防ぎ」と旅荷の中にこの紙子を持参していましす。

 米沢市上杉神社には謙信の胴着が現存しています。
 
 白石の紙子は、よく揉んで丁寧に作るので、柔らかで艶がよく仙台紙衣として江戸や京都にまで売り捌かれ、
 
 小紋紙衣、羽二重紙衣など美しい模様や色染めの高級紙衣も作られました。

 現在は帯や胴服、名刺入れ、札入れ、ハンドバッグ等が作られ、地方工芸品として珍重されています。







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